研究全体概要については次の資料もご参考にしてください。 丸文学術賞・受賞者研究紹介, 生産と技術誌の研究室紹介

研究テーマ1:レーザー技術による革新的な物質・デバイスの創成
レーザーが示す強力な電場や熱作用を駆使することで、物質の最小単位である分子/原子を自在に集めたり・並べたりする技術の開発を進めています(例:レーザートラッピング、レーザーアブレーションなど)。またこのレーザー操作技術を駆使することで、従来の方法では実現できない機能・構造を有する革新的な物質・デバイス(エレクトロニクス材料や医薬品の結晶、人工細胞など)を創製することも目指しています。
例1:レーザーが咲かせる氷の花:氷の結晶を狙った時間・場所に発生させるための新技術
J Phys Chem Lett 2023 読売新聞、朝日新聞(6月2日朝刊)、Chemistry World(イギリス王立科学会の広報誌)JST Science Portal(Yahooニュース)マイナビニュースオプトニクスNEWS SALTで紹介
例2: 壊すことで大きくする革新的結晶育成法を開発 Nature Photonics 2016 (マイナビニュース)
例3: 目視ではわからない顕微鏡動画を理論的に解析し、結晶化現象の前兆となる分子集団挙動の可視化に成功
J Phys Chem Lett 2019
その他:Chem Soc Rev 2014, J Phys Chem C 2019, J Phys Chem C 2021, APEX 2021, Appl Phys A 2022 etc.


研究テーマ2:ソフトマターの特異な機能・構造の非侵襲光計測
多くの有機・生体物質は、分子同士が緩く結合した構造を有し、硬い無機物にはない柔らかさ・しなやかさを示します(膜、液晶、ゲル、細胞など)。このような柔らかい物質群はソフトマターと呼ばれ、有機物や生物が示す多様な機能の源です。 我々は、分子間の弱い結合を乱さない非侵襲的な光計測法(光干渉法など)や、弱い分子間力の精密制御法(光ピンセットなど)を駆使し、 ソフトマターの柔軟な機能・構造の発現メカニズムを調べています。
例1: 反射干渉顕微法~ソフト界面の非侵襲ナノイメージング~, 生物物理学会誌 2017
例2: 昆虫はなぜ室温で接着するのだろう?~生きた細胞の接着界面を可視化する新システムで匂いセンサー応用に期待~, J Phys Chem Lett 2022
例3:植物が重力方向を感知する仕組みを解明, Science 2023
その他: APL Bioeng 2020(Scilightで特集), J Phys Chem Lett 2014, JACS 2011, J Phys Chem B 2013, PCCP 2017 etc.

 

研究テーマ3:疾病と発生のバイオフォトメカニクス
人間の体は、数十超個もの細胞で構成された多細胞組織です。生体内では、それぞれの細胞同士が絶妙な力学バランスで接着することで、秩序的な体の構造が形成・保持され、また適切な生命機能(増殖、分化など)を発現しています。我々は、このような細胞や生体物質の力学特性を精密に制御・計測する新しい技術を開発するとともに、様々な生命現象(発生、病気など)のメカニズム解明や医療応用も目指しています。
例1: 臓器の芽を作製する革新的な培養手法を確立, Cell Stem Cell 2015 (雑誌表紙, Best of Cell Stem Cell 2015に採択)
例2: 硬化領域を「おへそ」に組織形成が進む?!~高分子材料で生体内の局所環境を模倣する新技術~, iScience 2022日経バイオテク記事
その他: J Phys Chem B 2016, Stem Cell Rep 2018, APEX 2020 etc.